![]() 17条地図(国調17条池図を含む)を現地で復元するに当たり、避けてとおれないものに誤差が ある。 その誤差の求め方、チェック方法について簡単に述べたいと思います。 奈良会の福永先生が連合会会報について詳細に投稿されており、皆さんもすでに勉強され ていると思いますが、これから私が述べさせてもらいます誤差論に比べれば雲泥の差はありま すが、多少なりとも役立てば辛に思い、独断と偏見で思いのまま述べさせてもらいます。 @17条地図を作製したと思われる国調多角点・図根多角点(国家三角点を含む)に機械を据 え現地を実測し、法務局備え付け地図の筆界点データ(数値は読み取り座標値)との差異を求 める。 資料1、資料2のとおり、面積チェック・辺長チェック・位置誤差のチェック(最小二乗誤差を含 む)通常は最小二乗誤差をクリアするのはかなり困難である。この資料の現地筆界は逆打ち し、出来るだけ地図上の点と現地の点を一致させたものであり、現地の多少の変化点は無視 し、現地を復元したものである。 面積誤差とか辺長誤差は、17条地図と現地の形状が多少異なっていても計算チェック出来 るかと思います。 しかし、「座標差による筆界点の位置誤差を求めるには条件として、地図上の測点数と現地 測点数が同じでなければ計算が出来ないように思います。 従って、位置誤差の平均二乗誤差はなかなかクリア出来ない……。 (通常は平均二乗誤差まで求めなくても良いのでは?) A復元をしようとする近傍に多角点・図根点・三角点(国家三角点)等がない場合は、出来るだ け復元点に近い場所の既存多角点等から新たにトラバー点を設置する。 やむを得ず、遠くからトラバー点を設置する場合は図根三角点以上を使用し、最低条件とし て単路線方式トラバース測量を行い、誤差配分をし、座標差・方向角の誤差をチェックし、でき る事なら簡易多角網になるような路線を組み全体のバランスを図ること。 (一方に片寄ったズレ・スライドを防ぐため) 資料4参照 B運悪く新設したトラバーと現地がスライドした場合の復元方法、復元点近傍の多角点が亡失 している場合、特に一筆調査を行ったと思われる多角点(図根点)が亡失している場合、多角 点そのものを観測手薄どうり復元してその点から筆界点を復元すれば理想であるが、費用が 割高、又、復元不可能(国調後に図根点のあった場所の地形、形態の変更等による)な場合 もあって、通常は多角点の復元は行わない. 新たに多角点等を設置した方が費用、労力の節約になる.しかし、得てしてこう言った場合、 国調当時の精度(緩い精度?)では設置出来ず、より精度の高いトラバーになったり、遠方の 三角点、図根点等からトラバー測量を行ったために一方にスライドする場合が多い。このよう な場合出来ることなら簡易多角網計算等をして、出来るだけ片寄りを防ぎたいもので ある。 筆界点復元の際、現況地物や構造物等の観測を出来るだけ多く行う等してズレのチェックを 行なった結果、やむを得ず一方に片寄った場合(スライド)は、便宜読み取り数債や、数値をス ライド方向の逆方向に座標値そのものを座標変換(平行移動)し、逆打ち資料にする。 そうすれば国調作製当時の筆界点の復元がより真値に近づくのではないかと思います。 この場合スライド量が公差以上の場合は成果として使用すべきではないと思う。 どうしても公共座標で使用する場合は、他の既知点を使用してトラバー測量をやり直すべき であろう。(この場合、多角点迄は国家座標に連動させ、筆界点数債データは任意で行えば、 矛盾は少しでもなくする事が出来るのではないか) 次に、位置誤差の平均二乗誤差について少しふれたいと思います。 別紙(座標値による位置誤差のチェック)を参照下さい。 はじめに位置誤差を計算する注意事項として復元点として使用できる与点は筆界点近傍の 多角点ないし図根点を使用しないと本来の位置誤差のチェックは出来ないと思う。 そこで、図根点、多角点が亡失している場合は新たにトラバー測量等により設置した多角点 から復元することになるが、この場合得てして現況地物等とスライドする場合が多いかと思わ れます。スライドした場合はスライドそのものは本来の誤差でないから便宜、筆界点データ(読 み取り値)をスライドした方向の逆方向に座標変換(平行移動等)した座標値を現地に復元し、 現況地物との位置誤差をチェックすべきであると思います。 そこで、筆界点の平均二乗誤差(標準偏差)は中川徳郎氏の『登記測量』によると ![]() で計算されるよう紹介されているが 実際には同一測点をn回観測し、残差を求めなければ計算出来ないように思います。 したがって1回観測の場合は ![]() の公式で計算すべし。 いずれにしても、これはあくまでも便法であることはお断りしておきます。 真の意味の平均二乗誤差を求めるのであれば1測点をn回観測し、算術平 均値を求め、その平均値と観測値の残差(δ)を求める、次に ![]() の計算式で求められる、又観測機械等、精度の異なる機械、例えば標準偏差±3″の器械 と±6″の器械2台でそれぞれ復元(又は観測)した場合当然重量(P)を含めた計算になり、重 みは ![]() になる。 したがって、余談になるが6秒読みのトランシットで3秒読みと同等の成果をあげるには4対回 の観測が必要になる。 以上の平均二乗誤差をもう少し具体的に計算例をあげてみます。 まず1測点を5回観測した結果X座標を求めた場合 99.98 100.00 100.05 100.03 100.01 この場合の真値がたとえば100.014(最確値)としますと ![]() m = √(0.004684/(5-1)) = √0.001171 = 0.0342198・・・・・ ≒0.034 よって平均二乗誤差は3.4cmとなる。 次に、重み(観測回数)の異なる場合を例にしてみると、同一条件の器械で、まずA氏が6回 観測した平均値が100.014、次にB氏が3回観測しその平均値を100.025とする場合の平均二乗 誤差は、まず重みを求め、次に最確値を求める。 ![]() よって平均二乗謀差は±2mm 以上、簡単に平均二乗誤差について述べさせてもらいました。 ![]() ![]() ![]() れた登記測量(山海堂)を参考に求めたものであります。 この方法はあくまで便法だと思いますが、より正確を求める為には上記実測観測回数を多く し(2、3対回の観測を行い〉尚、かつ座標読み取りも数回行い算術平均値との座標差を求める べきであろうかと思います。 ![]() ![]()
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